2013年6月25日火曜日

「2025年の薬剤師」(改訂版)

適応追加関係がいっぱいあって、まとめないといけないのが少しつらいTでございます。
お散歩好きのわが子と一緒の朝のお散歩がほぼ日課になっており、患者さんからも「散歩してたね」といわれる今日この頃になっております。

さて、この前書いた話があまりにもグチャグチャなので、もう一度きちんと整理してみようと思います。

まずは2025年ごろの人口の構成から考えてみましょう。
総務省の高齢社会白書によると、2025年には高齢化率30%(2010年で23%)、2060年頃には高齢化率40%という予測になってます。また、高齢者の人数も2042年までは増加していくという予測になっています。

これを医療費の観点から見てみると、人口が減っていく中で、現役世代の負担は(今でさえ多いのに)増加してくる。高齢化率40%ということを労働人口で引きなおすと、一人の人が(自分の医療費は当然として)一人の高齢者の医療費を面倒みていかないといけないような状況になるということになります。

また、医療の提供の側面で見れば、労働人口が減っていく一方で働いてくれる人員の増加が望めない状況になります。

要は、医療費として使えるお金ははそんなに増えないけど必要とする高齢者は増加する。現場は人手が足りない。おまけに、新しく施設を作ってみても人口は減少傾向だから結局無駄になるかもしれないという、三重苦のような状況になります。

ここまでが、2025年ごろの医療を取り巻いているであろう状況です。

上のような状況で薬局はどんな状況になるか予測してみます。

医療費が増えないけど対象患者が増えるという状況なので、医療費の配分を変えていかないといけません。まず、基本調剤料や薬暦管理指導料は「薬剤師の本来業務に対してお金を出す必要は無いだろう」という形で廃止されていくと思います。その代わり薬の無駄使いの抑制となるであろう重複投薬の管理や不必要薬の削除などの処方管理に対する加算が大きくなってくるはずです。
また、セルフメディケーションという形の受診抑制策が進むはずで、風邪薬やら外用の消炎鎮痛剤あたりは保険からはずされる可能性があると思いますし、予防系のお薬(EPAで動脈硬化の予防とか、低用量アスピリンで脳梗塞・心筋梗塞の予防みたいな)がOTCでばんばん出てきそうな気がします。

労働人口が減少しているので、人件費の安い若い人材の確保が難しくなってきて年寄りの薬剤師が年寄りに投薬するという「老老薬局」が多くなるでしょうし、人材の確保ができなくて廃業という薬局も増えてくると思います。
薬価差益しか粗利が出ないと仮定した場合、高額の薬が長期処方されればされるほど粗利は大きくなります。二週間処方がメインの薬局とかカゼ薬みたいな単価の安い薬がメインで出ている薬局ほど粗利の低下がおきてきて大変になってきます。人材を何とかして残っている薬局も、人件費の増加や基本調剤料や薬暦管理指導料の廃止などで経営が苦しくなってくるはずです。

箱物(病院や病室)の増加は見込めないのですから、増えていく高齢者に対応するためには在宅をより一層進めていくしかありません。在宅への誘導という形で、在宅関係に関する加算が増えていくはずです。在宅が儲かるからといって参入しようとしても、人手がなくて難しいということがより切実になってくるかもしれません。

今ある薬局や薬剤師にとってはあんまりいい将来じゃないですね。

長くなってきたので一旦切って後編へ続きます。

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